初めてのギターマルチエフェクターおすすめ7選

エレキギターを弾く上で、エフェクターは欠かせないアイテムです。

その中で、マルチエフェクターはとても便利な反面、使い方が難しそうとか、音がコンパクトエフェクターと比べて悪そうとか、マイナスなイメージがある方もおられると思います。

今回はマルチエフェクターについて初めての方にも分かり易いように解説したいと思います。

ギターマルチエフェクターの基本

マルチエフェクターとは?

ギターマルチエフェクターは、いくつかのエフェクトが1台にまとめて搭載されているエフェクターで、多様なエフェクトを一台で手軽に操ることができる便利なデバイスです。

マルチエフェクターは複数のエフェクトを組み合わせ、1つのデバイスで操作できるため、初心者からプロまで広く愛用されています。

例えばオーバードライブ1つ取っても、数種類のオーバードライブを搭載しているマルチエフェクターもあるので、非常に多くのエフェクトの組み合わせが可能です。

コンパクトエフェクターとの違い

コンパクトエフェクターは一つのエフェクトに特化したデバイスであるのに対し、マルチエフェクターは複数のエフェクトを一体化したデバイスです。

コンパクトエフェクターは一つの目的に焦点を当てており、深いカスタマイズが可能ですが、特定の音作りに特化しています。

一方で、マルチエフェクターは多様なエフェクトを組み合わせ、複数のサウンドを一つのデバイスで再現できるメリットがあります。

コンパクトエフェクターは特定の効果に特化しているのに対し、マルチエフェクターは幅広いサウンドを手軽に試せる汎用性があります。

初心者に向いている理由

マルチエフェクターが初心者の方に向いている理由として、多彩なエフェクトが使用できる点が挙げられます。

オーバードライブがどんなものか、コーラスがどんなものか、初心者の方には音や使い方が分からない場合が多いと思います。まずはマルチエフェクターで色んなエフェクトを経験できることが魅力です。

エフェクトの選択や操作が1つのデバイスでまとめられているため、初心者は複雑な配線やペダルの使い方に悩まずにエフェクターを使用できます。手頃な価格で購入できるモデルも多く、コスト効果も魅力の1つです。

初心者にとってマルチエフェクターは、使いやすさとコストパフォーマンスの点から理想的なアイテムと言えます。

マルチエフェクターのメリットとデメリット

メリット

マルチエフェクターのメリットとして、以下が挙げられます。

  1. 1台で多彩な音作りが可能
  2. セッティングの保存が可能
  3. スイッチで音色切り替えができる
  4. 配線の簡素化
  5. 宅録とヘッドホン練習に最適

順に解説していきます。

1台で多彩な音作りが可能

マルチエフェクターは、1台で様々なエフェクトを組み合わせ、独自のサウンドを作り出すことができます。

コンパクトエフェクターをいくつも揃えることなく多数のエフェクトが使用できることは、コスト的にも可搬性としても優れている点と言えます。

セッティングの保存

マルチエフェクターは、繰り返し使用するセッティングを手間なく保存できるため、ライブパフォーマンスやレコーディング時に時間を節約します。

ユーザーが好みのエフェクトやプリセットを作成し、必要な時に呼び出すことで、迅速で効果的な演奏が可能です。

スイッチで音色切り替え

マルチエフェクターのペダルスイッチは、演奏中にリアルタイムで音色を切り替えるのに便利です。

これにより、一つの楽曲内でクリーントーンからディストーションまでシームレスに変化させることができます。

コンパクトエフェクターをいくつも揃えている場合、慣れないと演奏中に踏み間違えたり、何回も切り替える場合もありますが、マルチエフェクターは組み合わせを保存できるので、スイッチ1つで呼び出せる点がメリットです。

配線の簡素化

マルチエフェクターは、複数のエフェクトを一つの筐体に内蔵しているため、通常のペダルボードに比べて配線が簡素化されます。

これにより、ステージ上でのセッティングが迅速に行え、演奏者は無駄な配線に頭を悩ませることなく、演奏に専念できます。

宅録とヘッドホン練習に最適

マルチエフェクターはそのまま直接オーディオインターフェースとして使用でき、宅録やヘッドホンでの練習に最適です。

また、PCに接続してさまざまなエフェクトをかけながら録音することも可能です。

デメリット

デメリットとしては以下が挙げられます。

  1. 細かい設定が不得意
  2. 操作の複雑さ
  3. サイズと重さの課題
  4. 進化の速さ

順に解説していきます。

細かい設定が不得意

エフェクトの自由度は一部の高度な単体エフェクターに比べて制約があります。

1つのエフェクトを極めたいユーザーにとって、マルチエフェクターはその幅広い機能ゆえに、深く掘り下げることが難しいと言えます。

それぞれのエフェクトにこだわりがある場合、コンパクトエフェクターの方がより細かな調整ができるでしょう。

操作の複雑さ

高機能なマルチエフェクターは、その多くの機能ゆえに操作が複雑になることがあります。

初めてのユーザーにとって、全ての機能や設定を理解し、使いこなすまでに時間がかかることもあります。

サイズと重さの課題

上位機種のマルチエフェクターは機能が充実している反面、本体が大きく重たくなることがあります。

これはライブ演奏時や移動中の運搬において、持ち運びやすさを損なう要因となります。

進化の速さ

エフェクター技術は急速に進化しており、新しい機能やサウンドが次々に登場しています。

マルチエフェクターも例外ではなく、上位機種は価格が高く、購入後も短期間で新しいモデルが登場することがあります。

これにより、最新のテクノロジーを追い求めるユーザーには、進化の速さが課題となり得ます。

コンパクトエフェクター vs. マルチエフェクター

コンパクトエフェクターとマルチエフェクター、どちらがギタリストにとって最適なのでしょうか?

それぞれにはメリットとデメリットがあり、ユーザーの好みや用途によって選び方が異なります。

コンパクトエフェクターを選ぶ上でのメリット・デメリットを挙げていきます。

コンパクトエフェクターのメリット

コンパクトエフェクターのメリットとして、

  1. 自由度の高さ
  2. 操作のシンプルさ
  3. 軽量・携帯性
  4. 音の良さ

が挙げられます。

自由度の高さ

コンパクトエフェクターはシンプルで直感的な操作が可能なので、1つのエフェクトの設定に専念でき、自由度が高いです。

操作のシンプルさ

コンパクトエフェクターは基本的には1つの機能に限定されており、コントロールノブも直感的で初心者にも扱いやすいです。

一方で、マルチエフェクターはコンパクトエフェクターと同じ種類のエフェクトを使用する場合でも、そのエフェクトを呼び出して設定をし、場合によっては保存するという工程が必要になるため、コンパクトエフェクターよりは複雑になりがちです。

軽量・携帯性

コンパクトエフェクターはマルチエフェクターと比較すると軽量でサイズも小さいため、持ち運びはしやすくなります。

マルチエフェクターは多くはコンパクトエフェクター3つ4つ分の横幅を取るため、可搬性は悪くなりがちです。

音の良さ

コンパクトエフェクターは1つのエフェクトに特化して作成されているため、マルチエフェクターよりも音質は優れていることが多いです。

音にこだわり、気に入った音のコンパクトエフェクターを揃える方も多いです。

一方、マルチエフェクターはほとんどがデジタル回路で各エフェクトをシミュレートしている場合が多く、モデルとなっているコンパクトエフェクターよりも音質的には劣ります。

コンパクトエフェクターのデメリット

コンパクトエフェクターのデメリットと考えられるのは以下です。

  1. 機能が1つだけ
  2. たくさん繋げる場合に配線や操作が複雑になる
  3. たくさん繋げると重くなる
  4. 多くの音色が必要な場合はコストがかかる

機能が1つだけ

コンパクトエフェクターは1つの機能に特化しています。

ですので、色々な音色を必要とする場合は、それぞれのコンパクトエフェクターを揃える必要があります。

マルチエフェクターはいくつかのエフェクトを既に持っているので、1台あれば事足ります。

たくさん繋げる場合に配線や操作が複雑になる

いくつかの音色が必要な場合、コンパクトエフェクター同士をパッチケーブルで繋げる必要があります。

そうすると、配線が複雑になったり、ライブ中の音色の切り替え操作が複雑になる可能性が高いです。

マルチエフェクターはいくつかの組み合わせを記憶しておいて1つのスイッチで切り替えることが可能なので、ライブ中の操作は比較的容易にすることができます。

たくさん繋げると重くなる

オーバードライブ、ディストーション、コーラス、ディレイ、などなど、いくつかのコンパクトエフェクターを繋げていくと、かなり重たくなってしまいます。

その点、マルチエフェクターは1台だけですので、4つ5つとコンパクトエフェクターを揃えるよりは軽量で済みます。

多くの音色が必要な場合はコストがかかる

4つ5つと音色の分コンパクトエフェクターを揃えるとなると、それなりにコストがかかってしまいます。

マルチエフェクターは1台で済むので、もちろん効果なマルチエフェクターもありますが、多くはコンパクトエフェクター1、2台の価格で入手可能です。

初心者におすすめはマルチエフェクター

コンパクトエフェクターとマルチエフェクター、どちらもメリット・デメリットがあり、どちらを最初に購入しようかと悩んでしまうと思いますが、最初はマルチエフェクターをおすすめします。

理由として、最初から色々な種類のエフェクトを使用できるため、まずどんな効果があるのかを一通り試せることが挙げられます。

一通り試してみて、やはりこだわりの音のエフェクターが欲しいということであればコンパクトエフェクターを購入しても良いし、更に音質が良く機能が多彩なマルチエフェクターを買うのも良いでしょう。

コンパクトエフェクターに関しては、【初心者向け】最初に選ぶべきはどれ?おすすめのオーバードライブ10選という記事と【初心者向け】最初に選ぶべきはどれ?おすすめのディストーション10選という記事も書いていますので良ければ参考にご覧ください。

マルチエフェクターの選び方

マルチエフェクターを選ぶ際には、様々な要因を考慮することが重要です。

まずはエフェクトの種類から見てみましょう。

エフェクトの種類

まず、自分が使用したいエフェクトに合わせたマルチエフェクターを選ぶことがポイントです。

自分の演奏する音楽スタイルにより必要なエフェクトは異なります。例えば、オーバードライブやディストーションが好まれるロックギタリストには、それを得意とするマルチエフェクターが適しています。

価格と音質・機能のバランス

マルチエフェクターは安価なものから高価なものまで多種多様に揃っています。

高価であれば、コンパクトエフェクターに負けないような音質のものもありますが、まず最初に選ぶには予算の範囲内で気に入った音質や機能を揃えたものを選びましょう。

フットペダルの有無

マルチエフェクターにはフットペダルが付いているものがあります。

用途としてはボリュームペダルやワウペダル、エフェクトのパラメーター変更などが可能なので、フットペダル付のマルチエフェクターをおすすめします。

複数エフェクトの同時操作

マルチエフェクターは複数のエフェクトの操作が可能ですが、同時に使用できる数が限られる機種もありますので、自分のスタイルや要望に合った機種を選ぶことが重要です。

おすすめギターマルチエフェクター7選

ここからは具体的におすすめのマルチエフェクターを紹介していきたいと思います。

ZOOM G1X FOUR / G1 FOUR

ZOOM G1X FOUR / G1 FOURは、手頃な価格ながら高性能で多彩なエフェクトを提供するマルチエフェクターです。

ユーザーフレンドリーな操作パネルを備え、直感的にサウンドを調整できます。

G1X FOUR組み込まれたエクスプレッションペダルは、リアルタイムでワウやボリュームを操ることができ、演奏表現に幅を持たせます。

数十種類に及ぶエフェクトが内蔵されており、ディレイ、リバーブ、ディストーションなど、幅広い音作りが可能で、内蔵のリズムマシンやルーパーも搭載され、独自の音楽制作が楽しめます。

コンパクトかつ軽量なデザインなので、ライブやスタジオ、自宅での練習など、あらゆるシチュエーションで活躍します。手ごろな価格で高い性能を誇り、初心者からベテランまで広く支持されています。

「G1 FOUR」は「G1X FOUR」のエクスプレッションペダルが付いていないものとお考えください。エクスプレッションペダルが不要であれば「G1 FOUR」を選択されると良いでしょう。

ZOOM G2X FOUR / G2 FOUR

ZOOM G2X FOUR / G2 FOURは、G1の上位機種にあたるラインナップです。G1同様、手頃な価格ながら高性能で多彩なエフェクトを提供するマルチエフェクターです。

G1との違いは、IRという機能を搭載していることにより、G1と比較してよりアンプに近い音が出せる点にあります。

フットスイッチの数も増えているので、コンパクトエフェクターを並べたような使い方もしやすくなっています。電源もモバイルバッテリーが使用できるところが魅力です。

価格はG1シリーズの倍ほどになりますので、必要な機能によって選択いただけばと思います。

NUX MG-30 / MG-400 / MG-300

NUX MG-30は、エレキギターおよびベース用のオールインワンマルチエフェクターで、手頃な価格ながら高品質なサウンドと多彩なエフェクトを提供します。

コンパクトながらも豊富なエフェクトとアンプモデリングが搭載されており、ミュージシャンが様々な音楽ジャンルで幅広い表現を楽しめます。

MG-30には、アンプ、キャビネット、モジュレーション、ディレイ、リバーブなど、さまざまなエフェクトが内蔵されています。また、ユーザーフレンドリーなインターフェースやプリセット機能により、直感的な操作が可能です。

プロ仕様のトーンを手軽に実現でき、ステージやスタジオでの使用にも適しています。シンプルでありながらパワフルなエフェクト処理を備え、エレキギターおよびベースプレイヤーにとって魅力的な選択肢となっています。

兄弟機であるMG-300は機能的にはMG-30に劣りますが、手頃な価格で入手できるマルチエフェクターであり、最初に手にしてマルチエフェクターに慣れていくという用途にはぴったりの1台だと思います。

MG-400は、MG-300にマスター・ボリュームやコントロール・スイッチを追加、DSPも2基搭載と機能面でアップしたモデルになります。

VOX StompLab SL1G

VOX StompLab SL1Gは、コンパクトで使いやすいギターマルチエフェクターです。

エレキギターのための幅広いエフェクトが内蔵され、オーディオインターフェイスとしても利用可能。スイッチングが簡単で、シンプルながら高音質なサウンドを提供します。

このモデルは、豊富なエフェクトプリセットから選び、プレイヤーが簡単に理想のトーンを見つけることができます。また、ノブを回すだけでパラメーターを調整できるので、直感的な操作が可能です。コンパクトながらVOXならではのアンプモデリングも搭載され、臨場感あふれるサウンドを楽しむことができます。

VOX StompLab SL1Gは、初心者にとっても使いやすく、手頃な価格で高品質なエフェクト体験が得られる点が魅力です。シンプルながらもパワフルな機能を備え、ステージや練習スタジオでの使用に最適なモデルです。

BOSS GT-1

BOSS GT-1は、コンパクトなサイズに多彩なエフェクトとアンプモデリングを搭載した優れたマルチエフェクターです。BOSSの高い音質基準を維持しながら、ポータビリティと使いやすさに焦点を当てています。

このモデルは、BOSSの豊富なエフェクトラインアップやクラシックなアンプサウンドを網羅しており、プロ仕様のサウンドを手軽に実現できます。また、直感的なインターフェースやフットスイッチの操作性も魅力的で、ライブパフォーマンスにおいてもストレスなく使用できます。

BOSS GT-1は、その信頼性と耐久性からプロのミュージシャンたちにも支持されています。音楽制作やライブ演奏において高いパフォーマンスを発揮し、手頃な価格で高品質なエフェクトを求めるユーザーに強くおすすめできる一台です。

BOSS ME-90

BOSS ME-90はオールインワンのマルチエフェクターで、使い勝手と高品質なサウンドを両立させています。その特長は、アナログ回路のような直感的な操作性とデジタル技術の進化による多彩なエフェクトを一体化させたことにあります。

ME-90は8つのフットスイッチとエフェクトノブで構成され、パッチ切り替えやリアルタイムなエフェクトコントロールが直感的に行えます。

BOSSのマルチエフェクターの中のフラッグシップ・モデルであるGT-1000から受け継いだAIRDプリアンプとエフェクトを使用でき、SEND/RETURN端子を備えていたりスマホのアプリで設定が可能など、機能的にもかなり充実しています。電池駆動可能な点も魅力です。

価格的に初心者には高く感じるかもしれませんが、長く使用できるエフェクターかと思いますので候補として検討しても良いでしょう。

ZOOM MS-50G / MS-50G+

ZOOM MS-50Gは、そのコンパクトなサイズながら、幅広いエフェクトを搭載したマルチエフェクターです。シンプルながらも直感的なインターフェースで、初心者から上級者まで使いやすい特徴があります。

コンパクトエフェクターと同じようなサイズなので、持ち運びに非常に便利です。

172エフェクトを6つ同時に使用可能で、50種類のパッチメモリを保存できるので、ライブでも十分使用可能です。

最近発売された後継機である「MS-50G+」は、スマホのアプリでエフェクトの追加や変更も可能となるなど、機能面もアップしているので、こちらもおすすめです。

まとめ:マルチエフェクターを入手して、色々なエフェクトを体験しましょう

マルチエフェクターの魅力は、1台でたくさんのエフェクトを使用できる点にあります。

音質的にはコンパクトエフェクターに劣るかもしれませんが、エフェクターというものが良く分からない場合、たくさんのエフェクトが1台持っていることで体験できるのは大きなメリットです。

マルチエフェクターを入手してたくさんのエフェクトを体験してみて、自分の求める音が分かってきたらコンパクトエフェクターを入手するとか、更に上位のマルチエフェクターを入手するなど、ステップアップしていくことも楽しいのではないでしょうか。

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