【初心者向け】フルアコースティックギターのオススメや特徴について解説します!

フルアコースティックギターについて

Epiphone ES-175 Guitar
Epiphone ES-175 Guitar / interestedbystandr

フルアコースティックギターとは、ギターのボディ部分の内部が完全に空洞(ホロウボディ)になっているギターのことを言います。

一方、フェンダーのストラトキャスターやギブソンのレスポールなどはボディ内部は空洞部分がなく、ソリッドギターと称されています。

また、ボディ内部の真ん中にブロックが配置されているギターを「セミアコースティックギター」と呼びます。

「アコースティック」という名前が付いていますが、れっきとしたエレキギターです。

フルアコースティックギター(略してフルアコ)という名称は日本だけで、海外ではボディの表面がアーチ状であることから「アーチトップギター」と呼ばれています。

歴史は古く、ギブソンが1936年に第一号を製作したのが始まりで、以降フルアコースティックギターはギブソンがリードする形になっています。

フルアコースティックギターの特徴

フルアコースティックギターの特徴としては以下が挙げられます。

  • ボディ内部が空洞である
  • 甘くまろやかなサウンドである
  • ハウリングしやすい

それぞれについて解説していきます。

ボディ内部が空洞である

まず、フルアコースティックギターの最大の特徴は「ボディ内部が空洞である」ということです。

アコースティックギターのように板を貼り合わせて製作されており、ヴァイオリンの工法から進化しているため、ヴァイオリンのように木材はボディトップがスプルース、ボディサイド・ボディバック・ネックはメイプル、指板はエボニーを使用し製作されるのが定番のフルアコースティックギターとなります。

甘くまろやかなサウンドである

ボディが空洞であるためギター本体が鳴ることでギター本体の響きが加わり、またボディトップのアーチ状の形状である影響でソリッドギターでは出せない甘いまろやかな音を奏でることが可能です。

フルアコースティックギターのピックアップは「ハムバッカー」もしくは「P-90」を搭載していることが多く、更にフロントピックアップ1基のみ搭載されている機種も多いです。ハムバッカーやP-90のピックアップも甘いまろやかな音を出す1つの要因となります。

ハウリングしやすい

これは弱点とも言えますが、フルアコースティックギターはハウリングしやすいです。

ハウリングはアンプから出た音に対し弦が共振し、その振動をピックアップが拾うことで起こりますが、フルアコースティックギターの場合はボディが空洞であるため共振し、その振動でも弦が共振しますのでよりハウリングし易くなります。

音を歪ませた場合はよりハウリングし易さが顕著になります。

フルアコースティックギターの選び方

1959 Gretsch 6124
1959 Gretsch 6124 “Single” Anniversary Sunburst wih OHSC / Freebird_71

フルアコースティックギターは各メーカーからいくつかの種類が製造されていますが、どのようなタイプを選べばよいかについてポイントを挙げていきます。

演奏するジャンルによって選ぶ

フルアコースティックギターを購入しようとされる方の多くは「ジャズ」を演奏される方だと思います。

フルアコースティックギターのピックアップは、

  • ハムバッカーピックアップ
  • P-90ピックアップ

がほとんどで、ピックアップがフロントに1つだけのもの、2つ付いているものがありますが、ジャズを演奏される方はどのタイプを選択しても問題ないと思いますが、ピックアップが1つだけの方が余計な配線が無い分ボディの鳴りが良いというメリットもあります。

一方、フルアコースティックギターがジャズ以外に演奏されるジャンルとしては、ブルースやロカビリー、ポップス、ロックなどになるかと思いますが、その場合はフロントピックアップのみよりもリアピックアップもあった方が曲に合う演奏がし易いと思います。

価格帯で選ぶ

ギブソンの「ES-175」などに代表されるように、フルアコースティックギターは非常に高価なものが多いですが、エピフォンやアイバニーズなどのメーカーから比較的安価なモデルも販売されていますので、まずそういった安価なモデルを最初に手に入れるのも良いと思います。

メーカーやモデルで選ぶ

フルアコースティックギターにはギブソンの「ES-175」、エピフォンの「Casino」、グレッチの「テネシーローズ」や「ホワイトファルコン」など、各メーカーに有名なモデルが存在します。

そういったモデルの見た目や音が好きという理由で選択することも全然ありだと思います。

初心者におすすめのフルアコースティックギターメーカー5選

ギブソン

ギブソンのフルアコースティックギターは非常に高価なので初心者の方には手が出しにくいかもしれませんが、フルアコースティックギターにおいてはギブソン抜きには語れないため取り上げています。

「L-5」や「ES-175」が代表的なモデルになりますが、他のモデルも含めてほとんどがビンテージであり高価です。

エピフォン

ギブソン傘下のメーカーであるため、ギブソンの同モデルのギターを製作していますが、エピフォンの代表的なフルアコースティックギターといえば、ビートルズのジョン・レノンとジョージ・ハリスンが使用していたことでも知られている「Casino」となります。

他にも「Emperor Swingster」などのモデルがあります。

グレッチ

グレッチもフルアコースティックギターで有名なメーカーであり、ロカビリーやロックで使用されることが多いです。ストレイ・キャッツのブライアン・セッツァーが使用していることで有名です。

グレッチには「エレクトロマチック・コレクション」という廉価モデルがあり、グレッチのルックス、サウンドを求めやすい価格で入手出来るのでおすすめです。

アイバニーズ

アイバニーズは日本のメーカーで、ロックやヘビーメタルで使用される印象がありますが、フルアコースティックギターの製作でも知られています。

パット・メセニーやジョージ・ベンソンといったアーティストも使用しています(アーティストモデルも製作されています)。

日本製の「AF2000」や、「Artcore Expressionist」というシリーズがおすすめとなります。

ゴダン

ゴダンはカナダのギターブランドであり、エレキギターやアコースティックギターではボディトップにコントロール部を設けるなど、独創的なギターを製作しています。

「5th Avenue」というフルアコースティックギターのシリーズがあり、志向によっていくつかの選択肢があるのがおすすめです。

フルアコースティックギターについてまとめ

フルアコースティックギターは、ストラトキャスターやレスポールといったソリッドギターとは違う特徴的な音色を奏でることが出来るギターであり、ジャズを演奏するには欠かせないギターとなります。タイプによってはロックやヘビーメタルなどを演奏するには不向きなギターになりますが、その甘くまろやかなトーンを体験されてみてはいかがでしょうか。

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