エレキギター用ピックアップの種類とは?特徴の違いや仕組みを解説!

エレキギターの特徴の一つとして、ピックアップが搭載されていることが挙げられます。

アンプから音を出すにあたって欠かせないパーツであるピックアップについて解説していきたいと思います。

エレキギターのピックアップとは

エレキギターのピックアップとは、エレキギターにおけるマイクの役割があるパーツになります。

エレキギターの弦を弾いて振動させ、その振動をピックアップが電気信号に変えてシールドケーブルを通じてアンプに送り、アンプでその信号を増幅させてスピーカーから音が出る、という流れになっています。

エレキギターのピックアップの仕組み

エレキギターで使用されるピックアップは「マグネティックピックアップ」といいますが、ボビンに6本の磁石の棒(ポールピース)を差し込み、ボビンの周りをエナメル線のコイルでグルグル巻きつけた仕組みをしております。

6本の磁石を使用しているのは、6本のギターの弦1本1本の振動を拾いやすくするためです。ですので、7弦ギターの場合はピックアップに7本の磁石が使われることになります。

ピックアップの上で弦が振動を起こすと磁界に変化が起こり、磁界に変化が起こることでコイルに電流が発生し、アンプに電気信号を送っています。

エレキギターのピックアップの種類は主に2つ

エレキギターのピックアップは大きく分けると

  • シングルコイルピックアップ
  • ハムバッカーピックアップ

に分類することができます。それぞれについて解説していきます。

シングルコイルピックアップ

シングルコイルピックアップは、「ボビン」、「ポールピース」、「コイル」で構成されるピックアップが1つ(シングル)であるもののことを指します。

ストラトキャスタータイプのギターやテレキャスタータイプのギターに搭載されているピックアップがシングルコイルピックアップになります。

シングルコイルの音の特徴は、歯切れが良くきらびやかで高音域が良く出ることが特徴ですが、例えばストラトキャスターの場合は3つのシングルコイルがありますが、フロントピックアップで弾けばマイルドな音を出すことが可能です。

欠点としてはノイズが乗りやすいので「ジー」っという音が鳴ってしまい、ボリュームを大きくしたりアンプやエフェクターで音を歪ませると顕著になります。

ハムバッカーピックアップ

ハムバッカーはシングルコイルピックアップが2つ並んだ形状が特徴です。

レスポールタイプのギターに搭載されているものがハムバッカーになります。

金属のカバーに覆われているため分かりにくいかもしれませんが、カバーを外すとシングルピックアップが2つ並んでいます。

単に2つ並んでいるわけではなく、ポールピースに磁力がなくピックアップ下部にマグネットを搭載することで2つのポールピースに磁力を持たせたり、並んでいるピックアップがお互いノイズを打ち消す構造(ハムキャンセル)になっていることが特徴です。

ハムバッカーの音の特徴は、シングルコイルピックアップが2つあるため出力が高く、シングルコイルと比較して太い音が出ることが特徴です。

特に音を歪ませたい場合に、シングルコイルよりも音がつぶれることなく歪ませることが出来るため、ハードロックやヘビーメタルなどを弾きたい場合に向いています。

エレキギターのピックアップの選び方

シングルコイルとハムバッカーの違いについて解説しましたが、どちらのピックアップを選ぶのが良いか、またはシングルコイル・ハムバッカーそれぞれのピックアップで何を選べば良いか、と悩まれる場合に、以下の点から選ぶことをオススメします。

出したい音から選ぶ

まずは一番手っ取り早いのは、自分が弾きたい曲や好きなギタリストと同じような音が出したい場合、そのギタリストが使用しているギターと同じタイプのピックアップを選ぶという方法です。

そのピックアップがシングルコイルであればシングルコイルを選択する、という感じです。

全く同じピックアップであればなおさら良いです。

シングルコイルでハムバッカーの音を出そうとしても難しいですしその逆もしかりですので、同じタイプのピックアップを選びましょう。

色々なジャンルのギターを弾きたい、シングルコイルの音もハムバッカーの音も出したい、といった場合は、両方のピックアップを備えたギターを選択することも良い選択だと思います。

所有しているギターのピックアップが交換・改造可能なタイプを選ぶ

所有しているギターのピックアップを交換したいと考える方も多いと思います。

ストラトキャスタータイプのギターの場合、同じストラトキャスタータイプのピックアップであれば交換可能ですし、ピックガードにピックアップが付いているためハムバッカーが搭載可能なピックガードに交換してハムバッカーピックアップを搭載することも可能です(ボディのピックアップ部分(ザクリ)の改造が必要な場合があります)。

また、シングルコイルのサイズでハムバッカータイプのピックアップも存在しますので、ストラトキャスタータイプは色々なピックアップに交換が可能です。

逆に、ハムバッカーが搭載されているギターにシングルコイルを搭載したい場合、そのまま交換すると隙間が出来てしまうので、ハムバッカーの大きさでシングルコイルというピックアップも選ぶという手もあります。

もしくは、改造してハムバッカーをシングルコイルとして使用することができるようになります。これを「コイルタップ」といいます。コイルタップはピックアップの種類によっては出来ない場合がありますので、事前に確認が必要です。

以上より、所有ギターのピックアップが交換や改造が可能かどうかで選ぶという考え方もあります。

シングルコイル系ピックアップメーカー3選

ピックアップは複数のメーカーから販売されており、それぞれ音の特徴が違います。

まずはシングルコイルで代表的なメーカーを3つ紹介いたします。

フェンダー

シングルコイルピックアップの代表的なギターであるストラトキャスターやテレキャスターを製造しているメーカーですので、フェンダーの音が出したいと思ったならば一番の選択候補となります。

ストラトキャスターでは「Custom Shop」シリーズがオススメのピックアップです。

シングルコイルピックアップでいえば、ストラトキャスターやテレキャスター以外にも、ジャズマスタータイプのピックアップやジャガータイプのピックアップなどもシングルコイルピックアップになりますが、同タイプのギターでなければ搭載が難しいです。

セイモア・ダンカン

後述のディマジオと並んで2大ピックアップメーカーと称されるのがセイモア・ダンカンです。

高級ギターにも使用されているピックアップメーカーで、有名なギタリストも多数使用しているメーカーですので、交換することで音のレベルアップが期待できます。

シングルコイルでは定番モデルの「SSL-01」に代表されるSSLシリーズがオススメです。

ディマジオ

セイモア・ダンカンと並ぶ2大ピックアップメーカーがディマジオです。

セイモア・ダンカン同様に高級ギターに搭載されていたり、有名ギタリストも多数使用しているメーカーです。

ディマジオのシングルコイルピックアップはスタック構造といって、シングルコイルの弱点であるノイズが出にくいピックアップになっています。「DP110」が代表的なモデルとなります。

ハムバッカー系ピックアップメーカー3選

次にハムバッカーピックアップの代表的なメーカーを3つ紹介いたします。

ギブソン

ギブソンはレス・ポールに代表されるようにほとんどのギターにハムバッカーピックアップが搭載されています。

1950年代後半に作成された「P.A.F」というハムバッカーピックアップが非常に有名で、ギブソン自身を始め他のメーカーもP.A.Fのクローンモデルを製作しているほどです。

「BURST BUCKER」や「57CLASSIC」が代表的なモデルです。

セイモア・ダンカン

セイモア・ダンカンはハムバッカーピックアップでも多くの人気モデルが存在します。

「SH-4(JB)」というピックアップをリアピックアップに、「SH-2」というピックアップをフロントピックアップにセットすることが定番の組み合わせとなっています。

ディマジオ

ディマジオはシングルコイルよりもハムバッカーが有名なメーカーであり、代表的なモデルとして「Super Distortion」や「Tone Zone」、「PAF PRO」があります。

「Super Distortion」はニルヴァーナのカート・コバーンが使用していたことでも有名です。

エレキギターのピックアップに関するQ&A

ピックアップはどうやって交換するの?

ピックアップはボディに直接付いていたりピックガードに付いており、ボリュームポットなどに配線が繋がっています。

この配線を外して新しいピックアップを接続する必要がありますので、自分で交換する場合はある程度知識や技術が必要となります。

ネジを外すドライバーやハンダを使用しますので、それらの機材も必要となります。

自分で交換する自信が無ければ楽器店に持ち込んで交換を依頼することも可能ですが、ギターの知識を深める意味で自分で交換にチャレンジするのも良いでしょう。

パッシブとアクティブの違いについて

ピックアップには「パッシブピックアップ」と「アクティブピックアップ」が存在します。

パッシブピックアップとアクティブピックアップ一番の違いは「電池を使うか否か」です。

パッシブピックアップは電池は必要なく、アクティブピックアップは9Vの電池が必要となります。ちなみに、先に紹介したピックアップメーカーは全てパッシブピックアップです。

では、アクティブピックアップになぜ電池が必要かと言うと、ピックアップに「プリアンプ」や「イコライザー」が搭載されており、それらを駆動させるために必要なのです。

アクティブピックアップは「ローインピーダンス」で電気抵抗の影響を受けにくいためノイズが少なく、エフェクターの乗りが良いことが特徴となります。

パッシブピックアップからアクティブピックアップへの交換も可能ですが、電池を入れるスペースが必要なので、ボディの改造が必要な場合があります。

アクティブピックアップは「EMG」というメーカーが有名です。

まとめ:エレキギターのピックアップの種類

エレキギターのピックアップにはシングルコイルとハムバッカーが存在し、各メーカーごとに色々なピックアップがあること、パッシブやアクティブという違いがあることを簡単に解説いたしました。

初心者の方は最初に手にしたギターはあまり高価ではない場合が多いと思います。

それらのギターに搭載されているピックアップを今回紹介したメーカーのピックアップに交換するだけでも、大きく音をレベルアップさせることが可能です。

ピックアップは色々な種類がありますので、今回の記事をギターやピックアップを選ぶ際の参考にしていただければと思います。

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