ストラトキャスターとテレキャスターの違いとは?音などの比較と選び方について解説!
Fenderを代表するエレキギターが、ストラトキャスターとテレキャスターです。
どちらも人気のあるモデルですが、どちらを選べばよいか悩む方も多いと思います。
ここではストラトキャスターとテレキャスターの色々な違いや、選び方について解説いたします。
目次
ストラトキャスターとテレキャスターの違いについて
ストラトキャスターとテレキャスターの歴史
どちらも歴史は古いのですが、フェンダーが1951年に「テレキャスター」を、1954年にテレキャスターを発展させて「ストラトキャスター」を発売したので、テレキャスターの方が先輩にあたります。
それまでのエレキギターはフルアコースティックギターが主流で、ギターのボディは中が空洞になっているホロウボディでネックとボディは接着剤で接続していましたが、テレキャスターは空洞がないソリッドボディでネックとボディはネジでつなぐボルトオン方式を採用しました。
さらに、ボディの裏から弦を通すためにテールピース(弦の端を留める部品)がありません。
こういった構造のため大幅な工数やコストダウンが図られ、大量生産が可能となりました。
ストラトキャスターの特徴
ストラトキャスターの特徴としては以下が挙げられます。
- 3つのシングルピックアップ
- ボルトオンネック
- コンター加工
- ダブルカッタウェイ
- シンクロナイズドトレモロユニット
- 5ウェイのピックアップセレクター
3つのシングルピックアップ
ストラトキャスターは3つのシングルピックアップが付いていることが特徴ですが、ボディに直接マウントするのではなくピックガードに装着されており、ピックアップ以外にもセレクターやボリュームなどのコントロールもピックガードにまとめて付いていることで、ピックガードごと交換することで容易に改造できるという特徴があります。
ボルトオンネック
ネックはボルトでボディに取り付けるボルトオン方式であるため、ネックが折れたなどの故障時にネックを交換するだけで対応ができることや、ネックや指板の材が今までのものと違うもの取り付けるなどの改造も可能となっています。
コンター加工
演奏する際に、肘がボディに当たる部分や、ボディの裏側の身体に当たる部分を滑らかに削りとる加工をコンター加工と言いますが、これにより演奏時に肘や身体がボディに当たって痛い・弾きにくいという難点が解消されています。
2006 Fender Strat American Deluxe Tropical Green / Freebird_71
ダブルカッタウェイ
カッタウェイとは、ギターのネックとボディの接合部分の人間の身体でいう肩の部分が切り取られていることを指しますが、ストラトキャスターは両肩が切り取られている「ダブルカッタウェイ」の形状となっています。
このことで、ハイフレット(高音域)が弾き易くなるメリットがあります。
シンクロナイズドトレモロユニット
シンクロナイズドトレモロユニットは、ブリッジをアームバーを動かすことで音程を変化させることが出来るフェンダーのビブラートユニットになります。
ブリッジを浮かせた状態(フローティング)にすればアームアップして音程を上げるプレイも可能となりますし、ブリッジをボディにベタ付けしてアームを使用しなければ、通常の固定ブリッジと同様に使用することも可能です。
5ウェイのピックアップセレクター
ストラトキャスターのピックアップセレクターは5つのポジションを選択できるため、3つのピックアップの組み合わせで5つのパターンの音を出すことが可能です。
これにより、フロントピックアップ+センターピックアップ、センターピックアップ+リアピックアップによる「ハーフトーン」を出すことが可能となっています。
ストラトキャスターについては【ストラトキャスターのおすすめ10選!【初心者向け】】という記事も書いていますので、こちらも参考にしてください。
テレキャスターの特徴(ストラトキャスターとの比較)
テレキャスターの特徴としては以下が挙げられます。
- 2つのシングルピックアップ
- ボルトオンネック
- コンター加工はない
- シングルカッタウェイ
- ハードテール
- 3ウェイのピックアップセレクター
2つのシングルピックアップ
テレキャスターのピックアップはシングルピックアップが2つとなっており、フロントピックアップはボディに直接マウントされています(ピックガードに付いている機種もあります)。リアピックアップはブリッジユニットに吊るされる形で付いています。
Fender Telecaster American Special VBL / Freebird_71
ボルトオンネック
ストラトキャスターと同様、ネックはボルトでボディに取り付けるボルトオン方式であるため、ネックが折れたなどの故障時にネックを交換するだけで対応ができることや、ネックや指板の材が今までのものと違うもの取り付けるなどの改造も可能となっています。
コンター加工はない
テレキャスターにはストラトキャスターのように肘や身体が当たる部分のコンター加工がされていない場合が多いです。
2015 Fender Telecaster Classic 60s Baja FSB / Freebird_71
そのため、人によっては弾き辛い、身体に当たる部分が痛い、と感じる可能性はあると思います。
コンター加工の有無で音が変化するという意見もありますので、コンター加工が無いことがイコールデメリットという訳ではないと思います。
シングルカッタウェイ
テレキャスターのカッタウェイは片方だけのシングルカッタウェイとなります。
ストラトキャスターがダブルカッタウェイであるため、弾き易さではストラトキャスターの方に若干分があると思いますが、それほど大きなマイナスポイントではありません。
ハードテール(固定ブリッジ)
テレキャスターはブリッジが固定されているため、ストラトキャスターのようにアームを使用した演奏は出来ません。
一方、ブリッジが固定されているため、トレモロユニットのようにチューニングが不安定になるという可能性は低くなります。
また、テレキャスターの特徴として、ブリッジサドルに2本の弦が乗る3ウェイタイプのサドルと、1つのサドルに1本の弦が乗る6ウェイタイプのサドルが存在します。
3ウェイタイプの場合、オクターブチューニングが合わせ辛いなどのデメリットもありますが、そちらの方が「テレキャスターらしい音が出る」と音の好みで使用する方も多いようです。
3ウェイのピックアップセレクター
テレキャスターのピックアップセレクターは3ウェイであるため、3つのポジションで3種類の音を出すことが可能となります。
この点で見ると、ストラトキャスターの方が5種類の音を出すことが可能なため便利なようにも思えますが、演奏するジャンルや音の好みによってはそんなにたくさんのポジションで弾く機会もないと思いますので、選択できる音の種類が少ないから不利ということではありません。
ストラトキャスターとテレキャスターの音の違い
ストラトキャスターとテレキャスターについて、いくつか違う点を上げてきましたが、その違いによって音にも違いが表われています。
以下の動画をご覧いただくと、その音の違いを感じることができると思います。
同じシングルコイルのピックアップではありますが、選択するピックアップ(リア、フロント)によっても違うキャラクターの音であることを感じられると思います。
ストラトキャスターとテレキャスター、どちらを選ぶか
では、ストラトキャスターとテレキャスター、どちらを選んだ方が良いの?という疑問について、それぞれオススメするポイントを解説したいと思います。
ストラトキャスターがオススメの方
ストラトキャスターは3つのピックアップと2つのトーンボリュームを備えることから、テレキャスターと比較すると出せる音色は多くなります。
ですので、ポップスやロック、ハードロックなど色々なジャンルの曲を弾きたい場合にはストラトキャスターの方が合っていると思います。
また、将来ピックアップをハムバッカーに代えるなどの改造をしてみたい場合、ストラトキャスターの方が改造がしやすいのでオススメです
テレキャスターがオススメの方
テレキャスターはギターボーカルの方が持っている印象があるかと思いますが、テレキャスターのシャキッとした高音が声と相性が良いためとも言われています。
ボディも軽いため、歌いながらコードを鳴らすといった弾き方が多い場合はテレキャスターが合うと思います。
まとめ:どちらも甲乙つけがたい良いギター
ストラトキャスターとテレキャスターの違いについて解説してきましたが、両方とも非常に良く出来たモデルであり比較して優越をつけられるものではありません。
形や音や弾き易さなど、自分にとって合うものを選んでいただきたいと思いますし、もちろん両方とも手に入れてギターライフを楽しむことが出来たらそれが一番ですね。